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種の解説

塩沼地植物群落

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RDB2001概説

分類群 植物群落
RDB2001カテゴリー カテゴリーⅠ
群落の特徴

本群落は河口域などで満潮時に植物体が冠水し,干潮時には干出する塩沼地に見られる。群落を構成している植物は,「塩」による生理的乾燥を防ぐ特殊な機構を持っている。県内には佐賀県,長崎県に見られるような大規模な群落はないが,有明海,玄界灘,響灘,周防灘に流入する河川河口部,入江,塩田跡地など県内各所に分布している。

群落構成

本群落は1~数種で構成され,底質,微地形,塩分濃度に対応し分布する。県内ではハママツナ群落,ヒロハマツナ群落,シバナ群落,フクド群落,ナガミノオニシバ群落,ハマサジ群落,シオクグ群落が見られる。

保存状況

近年,本群落が発達する塩沼地は,埋立,河川改修,道路開発によって急速に減少している。1970年代まで周防灘沿岸域に見られたシチメンソウ群落は消失し,現存するほかの塩沼地植物群落も危機的状況にある。博多湾東部和白浜の塩沼地植物群落では,1984年に行われた調査時に比べ,ハマサジ群落が消失し,シバナ群落の面積が減少している。また,河口左岸側にあった塩沼地植物の帯状配列も現在では消失し,ヨシ群落周辺にわずかに生育するのみで,どの群落も面積が1~5 以下である。また近年,干潟に大型重機を入れて海岸に漂着したアオサを回収する作業が行われており,その際,本群落の一部が撹乱されるなど影響が懸念される。

なお,本群落の構成種であるハマサジ,シバナ,ウラギクは環境庁絶滅危惧Ⅱ類にあげられるなど,種としての存続も危ぶまれている。

群落評価 B(福岡県)
補足情報

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