ハイイロボクトウ
学名:Phragmataecia castaneae (Huner, 1790)Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
分類群 | 昆虫類 |
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目名 | チョウ目 |
科名 | ボクトウガ科 Cossidae |
RDB2001カテゴリー | 絶滅危惧Ⅱ類 |
生息状況・危機の状況・選定理由 | 本種の主要な生息地である平地のヨシなどが繁茂しているため池,湿地帯が減少しつつあり,採集記録も近年見られなくなった。このような環境が池の改修工事(コンクリートによる三面張り)により激減しているので,個体数の減少につながっていると推測される。幼生期が3年にわたる長期であることも回復が困難な原因かもしれない。もともと個体数の多い種類ではなく,北九州市の折尾,香月に散発的に記録があるのみである。 |
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分類・形態 | 前翅長は13mm(雄)~17mm(雌)。前翅表面の地色は淡黄色,翅全体に暗褐色の細かな斑点がちりばめられるが,飛び古した個体ではしばしば不明瞭。後翅は光沢のある白色。わずかに暗褐色の細かな斑点が見られる。翅を閉じてヨシの枯れた葉や茎に静止していると保護色となり見分けにくい。雄は一般に雌より小型で,触角の櫛歯状の構造が雌より長いので簡単に見分けられる。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 北海道~九州 |
分布(国内) | ヨーロッパ,東シベリア,中国,台湾,インド,イスラエル,アフリカ,マダガスカル |
生活史・生態・生息地 | 食草としてはイネ科のヨシ,ダンチク類,サトウキビ類(インド)。卵は葉鞘部に産卵される。幼虫は食草の茎の部分にもぐるいわゆるborerである。英国では老熟するまで約21カ月かかることが知られており,3年目の5月から7月にかけて羽化する。年1化。雄は明かりによく飛来するが,雌はあまり来ない。生息地は食草のヨシが広がる平地のため池や湿地帯である。 |
生息環境 |
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執筆者 | (上田・佐々木) |