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種の解説

アカハライモリ

学名:Cynops pyrrhogaster (Boie, 1823)

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RDB2001概説

分類群 両生類
目名 サンショウウオ目(有尾目)
科名 イモリ科 Salamandridae
RDB2001カテゴリー 準絶滅危惧
生息状況・危機の状況・選定理由

低地,山地の池や溝に多く生息していたが,近年,低地ではほとんど見かけなくなった。本種の成体は水中で生活するが,年間を通して生活できる適当な水域が減少していることが衰退の主な原因とみなされる。

分類・形態

全長は7~10cm程度,雌は雄より大きい。背面は一様に黒色か黒褐色,腹面には顕著な橙赤色のまだら模様がある。繁殖期には雄の尾の側面が鮮やかな青紫色となる。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州,四国,九州。九州では壱岐,五島列島,大隅諸島にもいる。日本固有種。

生活史・生態・生息地

春から初夏にかけて池,水田,溝,緩い流れなどで繁殖する。水底で雄は雌を認めると,その進路をはばむように雌の前方に体をよせ,尾を雌に向かって細かく震わせて求愛する。雌が雄の首のあたりを吻端で押すと雄は前方に歩き始め,雌がその後ろに続く。その途中で雄は精子の塊り(精包)を水底に落とし、それを雌が排出孔から取り込む。イモリ類はこのような方法で精子が雌の体内に入り,したがって卵は体内受精をする。日本で体内受精をする両生類は,イモリ科の種のみである。産卵は精包の授受の数日後に雌単独で行われる。雌は後肢で水草の葉を折り畳むようにして,その間に卵を1個ずつ産み付ける。卵は長楕円形をした比較的強固なゼリー層に包まれている。孵化した幼生はカスミサンショウウオの幼生とよく似ているが,明瞭な側線器をもつ点で区別できる。変態個体は陸上で生活するが,その詳細は不明である。成熟すると水中に入り,水生昆虫やイトミミズなどを捕食する。イモリ類の皮膚にはフグ毒として有名なテトロドトキシンが含まれ,捕食者は少ないと考えられる。

生息環境
  • 低地森林
  • 湿原・池
  • 水田・水路
執筆者 (倉本)
補足情報

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