福岡県レッドデータブック

文字サイズ
画像:文字サイズ小
画像:文字サイズ中
画像:文字サイズ大
検索

種の解説

イヌブナ

学名:Fagus japonica Maxim.

しおりを挿む

Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。

RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 ブナ科 Fagaceae
RDB2001カテゴリー 情報不足
分類・形態

落葉高木で,幹は高さ25,径70cmに達する。樹皮は灰黒色で,多数のいぼ状の皮目がある。若枝ははじめ暗紫色をおび,淡褐色の軟毛を密生するが,すぐに無毛となり,翌年には黒紫色となり,長楕円形の皮目を多数生じる。冬芽は狭長楕円形。葉は長楕円形または卵状楕円形,先は鋭尖形で鈍頭に終わり,基部は広いくさび形かまれに円形,洋紙質,長さ5~10cmになり,縁には波状の鈍い鋸歯がある。側脈は10~14対で,葉の裏面に突出し,まっすぐ伸びて先端は鋸歯の凹部に達する。葉の両面にはじめ伏した長い軟毛があり,のちに表面はほとんど無毛となるが,裏面(淡緑色)には残り,特に脈上にいちじるしい。葉柄は長さ4~9mm。托葉は早落性,長さ2~2.5cmになり,倒披針形で,膜質,褐色で軟毛がある。花期は4~5月。雌雄同株。雄花序は新枝の下部の葉腋に数個つき,長軟毛を密生する長さ1~1.3cmの柄をもつ。苞は線形。雄花は倒円錐形で,長さ0.5~1mmの柄があり,花被は長い軟毛を密生し,毛を含めて長さ4.5~5mmで,先端で6裂し,裂片の先は円形となる。おしべは12個,花糸は長さ約5.5mmで,葯は花被の外にでる。雌花序は頭状で新枝の上部の葉腋について上向し,長軟毛を有する長さ5mmほどの太い柄をもち,早落性の苞に包まれる。総苞は径約5mmで,中に2花あり,4裂し,各裂片の背部に多数の線形の鱗片を生じる。花柱は3個,下部は合着し,上部は離生し,線形で反り返る。子房は3稜のある卵形。堅果は3稜のある狭卵形,長さ1~1.2cmで,その年の秋に熟す。果期の総苞は堅果の半長くらいで,長さ5mm内外になり,長さ2.7~5cmの細長い柄がある。総苞片は楕円形で,背部に鱗片を密生する。染色体数2n=24。

分布(県外)

本州(岩手県以南),四国,九州(熊本県以北)

執筆者 大場秀章
補足情報

2011版データを見る

Copyright © Fukuoka Prefecture All right reserved.