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種の解説

ヒノキシダ

学名:Asplenium prolongatum Hook.

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 チャセンシダ科 Aspleniaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由

二丈町,那珂川町,久山町,篠栗町,若宮町,嘉穂町,田川市,添田町,甘木市,黒木町に13カ所の標本産地があるが,今回再確認できたのは那珂川町,添田町の3カ所だけで,2カ所は砂防ダムで消滅,8カ所の現状は不明である。生育環境は渓流沿いの岩上,岩面である。日本海側の北限分布である。

分類・形態

常緑性。葉身は二回羽状複生。葉軸は先端が2~6 ほど伸長し,無性芽をつける。無性芽は独立した株に生長するので群落を作る。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州(静岡以西)~九州

分布(国内)

朝鮮半島,中国,台湾,インドシナほか

法令などの指定状況

那珂川町大字市ノ瀬字釣垂のものは福岡県指定天然記念物

生息環境
  • 低地森林
執筆者 (筒井)
補足情報

常緑性。根茎は短く,斜上からほとんど直立し,鱗片をつけ,葉を叢生する。鱗片は暗褐色,狭披針形,長さ4~6mm,幅1mm以下,先端に向けてしだいに狭くなり,辺縁は突起があって不斉。葉柄は緑色,長さ5~10(~25)cm,基部に早落性の鱗片をつける。葉身は狭長楕円形から披針形,長さ10~20cm,幅2~3(~5)cm,2回羽状複生,中軸は葉の先より2~6cmの長さに伸長し,先端に芽をつける。羽片は10~15対,斜上,全裂して,単生か2~3個にさらに切れ込んだ小羽片(裂片)となる。裂片は線形,幅以上の間隔をおいてつき,鈍頭,全縁,厚い紙質,幅1.5mm,葉脈は単生。胞子嚢群は裂片に1個つき,長さ2~5(~7)mm,線形で宿存性の包膜がある。染色体数は2n=144で4倍体の報告がある。ホウビシダ類と同じD‐アミノ酸などの遊離アミノ酸を含む。本州(伊豆半島・静岡県天竜市・紀伊半島)・四国南部・九州で,山林中の岩上に生じる。つるを伸ばして無性的に増殖するので,しばしば密に大きな群落をつくる。朝鮮・台湾・中国・ベトナムから,インドやスリランカに分布する。和名は檜シダで,葉の形状がヒノキに似ていることによる。

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