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種の解説

キビヒトリシズカ

学名:Chloranthus fortunei (A.Gray) Solms-Laub.

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RDB2001概説

画像:常緑広葉樹二次林の林縁やヒノキ林内,伐採跡地などに生育する多年草。センリョウ科。キビヒトリシズカ。
分類群 維管束植物
科名 センリョウ科 Chloranthaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由

福岡市西区,玄海町,津屋崎町,北九州市八幡東区,岡垣町の6カ所が,記録および標本産地で,4カ所に現存するが,1カ所は絶滅し,1カ所は現状不明である。雑木林内林縁,ヒノキ林内,伐採跡地の荒地に現存し,個体数は30株程度である。常緑樹の生長,繁茂という植生の遷移で減少し,園芸用採取の懸念も大きい。

分類・形態

ヒトリシズカに類似するが,花糸は大きく1位,4個の葯は内向きにつき,開花期が4月下旬~5月上旬と遅い点で異なる。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州(兵庫以南)~九州

分布(国内)

朝鮮半島,中国

法令などの指定状況

県指定希少野生動植物種

生息環境
  • 低地森林
執筆者 (筒井)
補足情報

林中にはえる多年草。短い根茎から数本の茎が直立して,高さ30~50cm,無毛である。茎の下部には3~4対の鱗片葉があり,上部に2対ときの3対の大型の葉がつく。大型の葉の節間は多くはごく短いが,ときには長さ1~6cmになる。葉柄は長さ1.2~2.5cm,葉身は広楕円形または卵状楕円形で,先は短くとがり基部は鋭形,長さ5~13cm,幅2.5~8cm,縁に先のとがる多数の鋸歯があり,薄くて両面無毛。4月,頂生する1本の穂状花序を伸ばし,多数の花を密集してつける。花序の長さは花期に約2cm,果期に約3cm。苞は横幅が広く,深く3裂し,長さ1.5mm,幅2.5~3mm。おしべ3本は合着し,葯隔は細長く糸状に伸びて長さ8~12mm,白色で,中央のおしべは内側に2個の葯,両面にはそれぞれ1個の黄色の葯がある。子房は長さ約1mm。果実は淡緑色,倒卵状球形で長さ3mm。

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