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種の解説

エダウチホングウシダ

学名:Lindsaea chieni Ching

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 ホングウシダ科 Lindsaeaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠB類
生息状況・危機の状況・選定理由

那珂川町,北九州市小倉南区,甘木市,久留米市,瀬高町に6カ所の標本産地があるが,現存の確認は那珂川町の1カ所のみで,1カ所は絶滅,4カ所は現状不明である。現存産地は低地の小川の岸の壁面で,90株ほど点在するが,すぐ近くまで宅地になっており,宅地開発と小川の護岸化による消滅が懸念される。

分類・形態

常緑性の小形のシダ。根茎は短くはい,葉は接して出る。葉は二回羽状であるが,下部羽片が三回羽状になることがある。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州(静岡以西)~九州,伊豆諸島

分布(国内)

中国,台湾,インドシナ,タイ

法令などの指定状況

筑後川県立自然公園指定植物

生息環境
  • 低地森林
執筆者 (筒井)
補足情報

常緑性小型の林床生シダ。根茎は短く匍匐し,径1.5~2mm,鱗片は赤褐色,狭披針形,上半分は細胞1列,基部でもせいぜい細胞3列まで,長さ1.5mm以下。葉は相接して生じ,長さ10~50cm。葉柄は赤褐色から褐色,長さは10~30cm,葉身と同長から2倍くらいまで変異する。葉身は草質からやや硬質に近いものまであり,2回羽状複葉であるが,大きな葉の基部で3回羽状に切れ込むこともあり,三角形から長楕円形。羽状に分岐する羽片は1~6対,狭い三角形で鋭頭,ごく短い柄があるが無柄,大きいもので長さ5~10cm,幅2~3cm。裂片は後ろ側が発達せず,卵状長楕円形からひし形,辺縁は不規則に切れ込む。胞子嚢群は2~5本の脈端を連ね,長さ1~3mm,葉縁から内側へ寄ってつき,包膜は半透明から帯褐色,幅0.4~0.5mm。胞子は四面体型,黄褐色,表面はいぼ状の突起がある。染色体数はn=ca.47か,94の2倍体あるいは4倍体。ビテキシン,オリエンチンなどホラシノブと同じ4種のフラボノイドとジテルペンの報告がある。

葉は二形ではないが,胞子嚢群をつけない葉は小型で切れ込みも小さく,卵状披針形の葉身をもつものが多い。このことを含め,シンエダウチホングウシダと似た性質が多い。

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