照葉樹林内に生える常緑小低木。県内では北筑後地域の1カ所でのみ現存が確認されている。渓流沿いに残された自然林の林床に生育しているが，個体数は10株未満である。かつて記録された香春岳の産地は石灰岩採掘のため消滅しており，その後産地として記録された蔵持山についても，最近の調査では確認できず，消滅した可能性が大きい。

茎の下部は横になって地面につき，上部は直立して高さ30～80cm。葉は互生し，三小葉からなる。小葉は楕円形で長さ5～9cm。幅3～5cm。6～7月，茎の先に多数の花を総状につける。花冠は白色で長さ約1cm。果実は長さ12～15mm，黒紫色に熟す。

本州（関東地方以西）～九州

済州島，中国南部