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種の解説

サンショウモ

学名:Salvinia natans (L.) All.

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 サンショウモ科 Salviniaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
環境省カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類
生息状況・危機の状況・選定理由
福岡市西区,古賀市,北九州市八幡西区,宮田町,筑後市に6カ所の標本産地があるが,その後は再確認はされていず,現状不明である。古賀市では1980年に採集されているので,本県のどこかに現存する可能性はある。かつての生育環境は水田,池,クリークであった。
分類・形態
一年生の水生シダ。浮葉は楕円形から長楕円形の単葉で対生してつく。
分布情報 MAP
分布(県外)
本州(青森以南)~九州
分布(国内)
ヨーロッパ,アジア,アフリカ
生息環境
  • 水田・水路
執筆者 (筒井)
補足情報
一年生の水草。茎はところどころで分岐し,多細胞毛がある。浮葉は単葉で対生してつき,草質,楕円形から長楕円形,長さ0.8~2cm,幅は1cm以下,はぼ全縁,円頭,基部は円形で短い柄があり,扁平で平坦ないし少し水中側へ曲がる。葉の表面には短い突起が密にあり,その先に数本の刺状の毛がつき,裏面には多細胞の軟毛がある。水中葉は細かく枝分かれし,根のような形態と機能をもつ。胞子嚢群は水中葉の基部に集まってつき,10~12月頃に成熟する。染色体数はn=9,2n=18の2倍体。本州・四国(瀬戸内側)・九州(西部)の低地で,水田や池沼の水面に生育しており,アメリカにも記録されている。  成長した植物は切断されて栄養的にも繁殖し,水田を一面に覆うこともある。一方,水田除草剤に弱く,耕作地帯では激減している。日本では,野外では一年草ではあるが,温室内では越冬しており,暖地では常緑の生活型をもっている。現在の生育地のうち,どの地域のものが自生で,どこのものが帰化か,判断がむずかしくなっているが,日本が自生産地であることはまちがいないようである。和名は山椒藻で,葉の配列がサンショウの葉を思わせることによる。

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