夏緑性。根茎は短く，斜上から直立，葉を叢生し，鱗片を密生する。葉柄は長さ5～10cm，赤褐色，頂端に斜めに関節があり，全面に毛と鱗片がまばらにあり，基部に鱗片が多い。根茎と葉柄基部の鱗片は披針形で，鋭尖頭，ほぼ全縁か，まばらに縁毛があり，淡褐色。葉身は狭披針形から線形，鋭尖頭，下部はやや狭まり，長さ10～25cm，幅2～4cm。羽片は披針形～長楕円状披針形，鋭頭～鈍頭，無柄，最下前側に耳片があり，他はほぼ全縁かわずかに鈍鋸歯縁，ややかたい草質で，濃黄緑色，表裏ともに有毛，裏面には線形の鱗片も混じる。胞子嚢群は羽片の辺縁近くに1列に並び，包膜はコップ状，胞子嚢群をすっぽり包み，不規則に細裂して長い縁毛がある。染色体数はｎ＝41，2ｎ＝82で2倍体。ビテキシン，オリエンチン，イソケルシトリンほか2種のフロログルシノールが検出されている。北海道から九州までの各地で，向陽の山麓などの岩上や石垣などに生じ暖地には少ない。樺太･千島･朝鮮および台湾の高山をはじめ，東南アジアに分布する。デンダはシダの古名の一つ。連朶（れんだ）がなまったものという説もある。