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種の解説

ホオノカワシダ

学名:Dryopteris shikokiana (Makino) C.Chr.

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 オシダ科 Dryopteridaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
生息状況・危機の状況・選定理由

福岡市早良区,筑穂町に3カ所の標本産地があるが,今回の調査では2カ所で44株確認した。筑穂町のもう1カ所での現状は不明である。山地の渓流沿いの斜面や崖地に点在する。全体的に個体数がやや減少し,小形化しているが,その原因は不明である。本県ではもともと自生地も個体数も少数であった。

分類・形態

大きな株では葉の長さが1にも達する大形のシダ。葉は三回羽状深裂~複生。葉柄基部には褐色~黒褐色の鱗片が密生する。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州(神奈川以西)~九州

分布(国内)

中国

生息環境
  • 山地森林
執筆者 (筒井)
補足情報

常緑性。根茎は短く,斜上,塊状となり,葉を叢生し,鱗片をつける。葉柄は長さ20~50cm,鱗片を密生する。葉柄下部の鱗片は広披針形~狭卵形,全縁,長さ1cmをこえるものもあり,褐色~黒褐色で光沢がある。葉柄上部から中軸にかけて鱗片はしだいに小さく,細くなり,黒褐色。葉身は三角状広卵形~長卵形,長さ30~80cm,幅30~70cm,3回羽状深裂,大きな葉では下部は3回羽状複生となる。羽片は線状長楕円形,短い柄があり,羽軸には細い鱗片がまばらにつき,最下羽片が最大で非相称の三角状広卵形。小羽片は長楕円形で鋭尖頭,大きいのものにはごく短い柄があり,上部のものは無柄,または基部が羽軸に流れる。終裂片は長楕円形~長楕円状披針形,鈍頭,全縁かまれに微鋸歯縁~波状縁。葉質は草質,葉面に多細胞の太い毛がまばらにある。胞子嚢群は小羽片の辺縁と小羽軸の中間につき,包膜はない。胞子表面に小さなこぶが不規則につく。染色体数はn=41の2倍体。和名は発見地である高知県須崎市朴ノ川山にちなむ。

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