ミヤマイタチシダ
学名:Dryopteris sabaei (Fr. et Sav.) C.Chr.Myしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
分類群 | 維管束植物 |
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科名 | オシダ科 Dryopteridaceae |
RDB2001カテゴリー | 絶滅危惧ⅠA類 |
生息状況・危機の状況・選定理由 | 前原市に唯一の自生地がある。自生地は標高900 以上のブナ林内で,かつては30株ほど点在していたが,今回の調査で再確認できたのは1株だけである。生育環境は維持されているので,大幅減少の原因は人為的なものかどうかは不明である。日本の固有種で,前原市が九州本島での唯一の自生地である。 |
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分類・形態 | 和名にイタチシダがついているが,イタチシダ類ではなく,ナガバノイタチシダに近いシダで,葉質はやわらかく,一部の葉しか越冬しない。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 北海道~九州(対馬,屋久島) |
生息環境 |
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執筆者 | (筒井) |
常緑性であるが,冬季に枯れる葉も多い。根茎は斜上し,葉を叢生,鱗片をつける。葉柄は葉身の半長くらいで,長さ15~25cm,褐色で下部は紫褐色,鱗片がやや密生し,基部には無性芽がある。鱗片は広卵形~披針形,茶色~暗褐色,膜質で全縁,長さ1~1.3cm,葉柄上部のものや中軸のものは小さく,幅が狭くなる。葉身は卵状長楕円形から広卵形,2回羽状複生だが,下部は3回羽状深裂,長さ35~45cm,幅15~25cm。羽片は大きいものには短い柄があり,最下のものは不斉の三角状卵形から卵状長楕円形,鈍頭から鋭頭,無柄,羽状に浅裂~中裂し,裂片には短くて細くとがる鋸歯がある。葉は紙質,鮮緑色,葉脈は表面でくぼむ。胞子嚢群は葉身の上半部に限ってつき,その部分は多少縮小し,胞子が飛散したあとに枯れる。胞子嚢群は小羽片の中肋寄りにつき,包膜は径1~1.2mm,全縁。染色体数はn=41の2倍体。北海道(中・南部)・本州・四国・九州(福岡県・対馬・屋久島)で,山地の林床にややふつうにみられる。日本に固有。