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種の解説

エビガラシダ

学名:Cheilanthes chusana Hook.

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 ミズワラビ科 Parkeriaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
生息状況・危機の状況・選定理由
黒木町に唯一の自生地があり,70株ほど現存する。この自生地は1933年から知られているが,生育環境が低地の道路沿いの石垣および崖であるため,石垣の改修や落石予防のセメント吹きつけで,個体数は大幅に減少している。今後も石垣の改修に当たっては,工事中の移植保存や工法についての考慮が必要である。
分類・形態
ヒメウラジロと同属であるが,葉は狭披針形から長楕円形。葉裏は緑色で粉白ではない。
分布情報 MAP
分布(県外)
本州(和歌山以西)~九州
分布(国内)
朝鮮半島,中国,インドシナ,フィリピン
生息環境
  • 低地森林
執筆者 (筒井)
補足情報
常緑性。根茎は短く,斜上し,鱗片は線形,茶褐色。葉は叢生し,葉柄は長さ1.5~5cm,光沢のある紫褐色で折れやすく,幅の狭い鱗片がある。葉身は狭披針形~長楕円形,鋭頭,ややもろくかたい草質,大きな変化に富むが,長さ5~25cm,幅2~5cmのことが多い。羽片は無柄,三角状披針形で鋭頭,羽状に深裂し,無毛。小羽片は幅が狭く,円頭,基部は羽軸に流れ,辺縁は鋸歯縁。胞子嚢群は裂片の辺縁につき,偽包膜は胞子嚢群ごとに独立するが,隣り合う2~3個が合着することもある。染色体数はn=90の6倍体。  アジアの熱帯域に分布する C.mysurensis Wall. ex Hook. は本種とよく似ているが,葉が狭長,羽片はほぼ全裂で,裂片の鋸歯は深く,葉柄や中軸に鱗片がないなどの点で異なっている。和名は海老殻シダで,乾燥した葉が紫褐色の軸の周辺にぼろぼろの姿で集まるのをなぞらえたものだろう。

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