ハコネシダ
学名:Adiantum monochlamys EatonMyしおりとは、あとでもう一度閲覧したい種の解説ページを保存し、いつでも見直すことができる機能です。このボタンを押すことで本解説ページをMyしおりページにブックマークし、Myしおりページへ移動します。
分類群 | 維管束植物 |
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科名 | ミズワラビ科 Parkeriaceae |
RDB2001カテゴリー | 絶滅危惧ⅠA類 |
生息状況・危機の状況・選定理由 | 添田町,矢部村,築城町,豊前市に5カ所の記録および標本産地があるが,5カ所とも近年は再確認されていず,現状は不明である。やや乾燥気味の岩壁に自生していたが,本県ではもともと自生地も個体数も少ない植物である。 |
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分類・形態 | 外見はホウライシダに類似するが,小葉は倒三角状卵形で,ソーラスは小葉に1個つく。 |
分布情報 | MAP |
分布(県外) | 本州~九州 |
分布(国内) | 朝鮮半島,中国,台湾 |
生息環境 |
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執筆者 | (筒井) |
- 常緑性。根茎は短く,匍匐から斜上し,密に鱗片をつける。鱗片は線形から線状披針形,黒褐色。葉柄は長さ8~18cm,光沢のある紫褐色から赤褐色,基部に鱗片があるが,他は無毛。葉身は三角状卵形,やや鋭頭,長さ10~26cm,3回羽状に分岐する。中軸は細く,赤褐色,先端が伸びることはない。小葉は無毛,質はかたく,倒三角状卵形,基部はくさび形,柄があり,基部側の辺縁は全縁,上縁は不規則な鋸歯縁となる。胞子嚢群は小葉に1個つき,ほぼ円形,反転する辺縁は長楕円形,胞子嚢群のつく上縁はややくぼむ。染色対数はn=58,60で4倍体。アジアントンなどのフラボノイドなど18種におよぶトリテルペンと5種のフラボノイドが検出される。本州・四国・九州(最南部を除く)で,やや乾いた林中の岩上や岩の傍らの地上に生育し,朝鮮南部・中国・台湾に分布する。江戸中期に来日した博物学者Kaempfer が神奈川県箱根山で採集し,紹介したことからこの名がある。栽培は多少困難を伴う。