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種の解説

コケシノブ

学名:Mecodium wrightii (v.d.B.) Copel.

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 ミズニラ科 Isoetaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅危惧ⅠA類
生息状況・危機の状況・選定理由

添田町の山地が唯一の産地で,標高800以上の高所のスギの枯株と断崖の岩面の2カ所に自生していたが,1975年以降は再確認されていない。現状は不明であるが,断崖の岩面では現存する可能性がある。本県ではもともと自生地も個体数も少ない植物である。

分類・形態

岩上および樹幹に着生するコケシノブ属の一種で,葉縁に鋸歯がないのでホソバコケシノブに類似するが,裂片は軸に対してより鋭角につくので異なる。

分布情報 MAP
分布(県外)

北海道~九州

分布(国内)

朝鮮半島,アムール,千島,サハリン,カナダ

生息環境
  • 山地森林
執筆者 (筒井)
補足情報

岩上か樹幹に着生し,常緑性でマット状になることが多い。根茎は長く横走し,不規則に分岐し,先端には褐色で多細胞の毛をつけるが,毛が早落性で,古い部分は暗褐色から黒色で針金状,褐色の根毛をつける根をまばらに伸ばす。葉柄は短く,長さ0.7~2.5cm,基部に褐色の毛をつけることがあるが,他は無毛,最上部を除いて翼もない。葉身は2~3回羽状に分岐し,卵状長楕円形から三角状卵形,鋭頭から円頭,長さ3~5cm,幅1.2~2.5cm,ふつう無毛だが,2~3細胞性の半透明で顕微鏡的な毛がまばらにつくこともある。裂片は軸に対して鋭角に30~45度の角度でつき,やや長く伸び,黒褐色の軸が多少とも顕著である。葉は暗緑色,細胞膜は薄い。胞子嚢群は裂片に頂生し,包膜は二弁状で基部近くにまで裂け,三角状卵形,胞子嚢床は棍棒状で包膜より短い。染色体数はn=28,2n=54,56,84。北海道と本州にややふつうに,四国と九州にややまれに産し,朝鮮南部・アムール・千島・樺太とカナダのクイーン・シャーロット諸島に分布する。和名は苔忍で,コケのようなシノブ(シダの別名)の意であろう。

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