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種の解説

ヒトツバシケシダ

学名:Deparia lobatocrenata (Tagawa) M.Kato

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RDB2001概説

分類群 維管束植物
科名 イワデンダ科 Woodsiaceae
RDB2001カテゴリー 絶滅
生息状況・危機の状況・選定理由

那珂川町猿山谷が唯一の自生地であったが,現在は消滅しており,現存しない。本種は日当たりのよい所では根茎分岐でよく繁殖するが,陰湿な環境では育ちにくいので,自生地の日照不足が絶滅の原因と推定される。全国的に見ても極めて希少の種である。本県産の株は宮崎県などで栽培保存されている。

分類・形態

葉身は線状披針形で,下部は一回羽状複生。栽培品では葉幅が10以上,葉長が70以上に生育する。ヘラシダとシケシダの雑種と推定。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州(静岡以西)~九州(宮崎)

生息環境
  • 山地森林
執筆者 (筒井)
補足情報

夏緑性。根茎は長く横走し,径2~2.5mm,鱗片がある。葉は多少二形をなす。葉柄は細く,わら色,鱗片があり,長さは胞子葉で15~30cm,栄養葉で10~15cm。鱗片は線状披針形,全縁,長さ5mm,幅1mmに達し,褐色から暗褐色。胞子葉の葉身は線状披針形から披針形,長さ20~30cm,幅3~4(~7)cm,辺縁が深裂~全裂する単葉で,基部近くでは単羽状となる。裂片(羽片)はほぼ開出してつき,長楕円形,鈍頭からやや鋭頭,幅0.6~1cm,ほぼ全縁,下部の羽片では基部前側に小さな耳状突起があり,葉質は紙質に近い。栄養葉の葉身は長さ20~25cm,幅5~6cm,裂片は辺縁にわずかに鋸歯があり,幅約13mm。胞子嚢群は線形,ふつう一つの葉脈に1本つき,包膜は内側に巻き込み,わずかに鋸歯縁。染色体数は2n=約200で5倍体。ビテキシンとオリエンチンのフロログルシノールがある。

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