生き物のめぐみにはどんなものがあるの?
食料や薬の材料になったり、洪水(こうずい)を防(ふせ)ぐなど、さまざまなめぐみがあります。
私たちのくらしは、たくさんの生き物から受けているめぐみに支えられています。このめぐみのことを「生態系(せいたいけい)サービス」といって、4つのタイプに分けることができます。
1つめは、人間をふくむ全ての生命の土台を生み出してくれるというめぐみです。私たちの呼吸(こきゅう)に必要な酸素(さんそ)を植物が作ったり、とても小さな生き物たちが落ち葉を食べて栄養(えいよう)たっぷりのふかふかの土を作り出しています。
2つめは、私たちのくらしに必要な原料を生み出してくれるというめぐみです。毎日の食事に欠かせない食べ物は、自然の中で育ったものや自然の生き物を利用して育てたものがほとんどです。この他にも、洋服、薬、木材など、生きものめぐみを利用しています。
3つめは、生き物がいることで、人間のくらしやすい環境(かんきょう)が保(たも)たれるというめぐみです。森林が洪水を防止(ぼうし)したり、川の生き物が水をきれいにしたり、鳥やカエルなどが虫を食べることで害虫の大量発生がおさえられるなど、私たちの目に見えないところで、生き物たちが人間のくらしやすい環境を生み出しています。
4つめは、生き物が私たちのくらしを豊(ゆた)かにし、地域(ちいき)の伝統(でんとう)文化を生み出すきっかけになるというめぐみです。魚釣(つ)りや草遊びなど、たくさんの生き物がいることで私たちが喜びや楽しみを感じることができます。また、秋の実りを祝うお祭りや踊(おど)り、工芸品などの地域の伝統文化は生き物がいることで生まれてきたものです。
このように、私たち人間の生活は、他の生き物の存在によって豊かになっていることをわすれてはいけません。