これまでに、生き物がいなくなって人間が困(こま)ることはあったの?②
イースター島の文明は、生き物の減少で崩壊(ほうかい)しました。
南太平洋に浮(う)かぶイースター島は、モアイ像(ぞう)が立つ島として有名ですが、生き物が減少したことで文明が崩壊(ほうかい)してしまったことでも有名です。
かつてのイースター島は、森林におおわれた自然ゆたかな島で、30種類ほどの高木が生育していました。5~7世紀ごろに数十人のポリネシア人が住みはじめると、畑を作ったり、家や船の材料に木を使ったり、丸太をモアイ像を運ぶコロに使うため、森林を切り開いていきました。島の人口はしだいに増え、17世紀ごろには6千~1万人に達したそうです。これほどまでに人口が増えた結果、島内の木は切りつくされ、動植物はほとんど食べつくされ、多くの生き物が絶滅(ぜつめつ)してしまいました。その結果、人々は資源(しげん)をめぐって争いをくり返し、人口はピーク時の1割(わり)ほどに減少して、文明が崩壊したと言われています。
イースター島で起こった悲劇(ひげき)を教えにして、森や海などの生き物をとりつくすのではなく、私たちの子孫が、生き物からのめぐみを末永く利用できる範囲(はんい)で使っていくことが大切です。私たちは、生き物からのめぐみに感謝(かんしゃ)し、めぐみをムダなく大切に利用していかなければなりません。