これまでに、生き物がいなくなって人間が困(こま)ることはあったの?①
オオカミが絶滅(ぜつめつ)したことでシカが増えすぎてしまい、農林業などに被害(ひがい)が出ています。
かつて、日本の森林にはオオカミがすんでいました。しかし、森林が減って住みかがなくなったり、人間がオオカミを害のある生き物として殺してしまったり、病気にかかったりして、1905年を最後にオオカミは日本から絶滅してしまいました。
オオカミはシカを食べてバランスがとれていたので、昔はシカが増えすぎることはありませんでした。しかし、現在、天敵(てんてき)であるオオカミが絶滅したため、シカが増えることを防(ふせ)いでくれる生き物はいません。そして現在、日本各地で、シカが農作物を食べたり、森林の植物を食べつくしてしまうなどの被害を引き起こして、私たち人間がシカを駆除(くじょ)しています。
シカを撃(う)ち捕(と)る猟師(りょうし)が減ったこと、暖冬(だんとう)によって雪が積もることが少なくなったことなども、シカが増えた理由と言われていますが、オオカミの絶滅が、シカが増えすぎた大きな理由のひとつです。