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種の解説

ホウネンエビ

学名:Branchinella kugenumaensis (C. Ishikawa, 1895)

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RDB2001概説

分類群 甲殻類その他
目名 無甲葉脚目
科名 ホウネンエビ科 Chirocephalidae
RDB2001カテゴリー 準絶滅危惧
生息状況・危機の状況・選定理由

1998~99年には田川,鞍手,若宮,玄海,宗像,津屋崎,福間,新宮,久山,粕屋,福岡市西区,志摩,前原などの水田で発生が見られた。以前は県内各地の水田や水路に普通に生息していたと考えられるが,毒性の強い農薬の使用により生息地が減少した。

生息環境は天敵の淡水魚もすめない高水温で弱アルカリ性の水域である。最近の酸性雨増加の影響を強くうけるおそれがある。

分類・形態

日本産は2種類あり,北海道には冷水性種のウチダホウネンエビが生息し,近似種に魚介類の稚魚や甲殻類の幼生の餌のアルテミアがある。

体長15~25mm,体は細長く,円筒形,甲殻を欠く。第2触角は雌では葉片状,雄では太い鎌状,雄の前額は長いT字状の大きい付属器をもつ。鰓脚は11対,脚をもたない体節は9つで,最後に尾脚がある。第11鰓脚の下に卵嚢があり,フラスコ状三角形である。

分布情報 MAP
分布(県外)

本州~九州

分布(国内)

インド,中国,朝鮮半島

生活史・生態・生息地

6~7月の水田・用水路・防火用水などで発生する。孵化後,約20日から産卵を始め,4~6日おきに放卵し,卵は土中に沈む。卵は水中では孵化せず,しばらく乾燥させると孵化する。幼生はプランクトン生活をすごす。成体は背中を下にして11対の脚で泳ぎながら水中の植物プランクトンを鰓脚で集めて食べる。

生息環境
  • 湿原・池
  • 水田・水路
執筆者 (嶺井)
補足情報
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